ウクライナ穀物輸出が事実上停止 黒海港攻撃で世界の食料供給不安が再燃
ロシア軍の黒海港攻撃でウクライナの穀物海上輸出が事実上停止。輸出不能量は約150万トンに達し、小麦先物も1カ月で14%上昇。世界の食料供給不安が再燃している。
飼料環境
藤井誠司
8/1/20261 min read
はじめに
ウクライナの黒海沿岸にある港湾インフラへのロシア軍の攻撃が再び激化し、同国の海上穀物輸出が事実上停止している。ウクライナは世界有数の穀物輸出国であり、黒海ルートの停滞が長引けば、小麦などの国際価格や輸入依存国の食料安全保障に影響を及ぼす可能性がある。
6日連続で黒海からの輸出停止
報道によると、7月23日時点でウクライナの黒海港を経由する農産物輸出は6日連続で停止した。ウクライナ農業連盟のレオニード・コザチェンコ会長は、今回の海上交通の停止について、戦争開始以降でも極めて深刻な状況だと説明している。
過去2週間では20隻を超える船舶が損傷したとされ、農産物を含む貨物輸送がほぼ停止状態となった。ウクライナは通常、海港から月間約350万トンの穀物を輸出しているが、7月に入ってからすでに約150万トンが輸出できていないという。
EU経由では黒海ルートを代替できず
黒海港が利用できない場合、鉄道や陸路を使ってEU域内の港から輸出する方法が考えられる。しかし、その輸送能力には限界がある。
ポーランドのグダニスク港などを含むEU経由の代替ルートで処理できる数量は約160万トンと推定され、通常の黒海港からの輸出量約350万トンには大きく届かない。港湾能力だけでなく、鉄道規格の違いや積み替え、物流コストなども制約となるため、黒海航路の停止を完全に補うことは難しい。
小麦価格は1カ月で14%上昇
輸送障害への警戒は、すでに国際穀物市場にも表れている。米国の小麦先物価格は6月末の1ブッシェル5.78ドルから、7月24日には6.79ドルまで上昇した。1トン換算では212ドルから249ドルとなり、約1カ月で14%上昇した計算になる。
市場では、黒海およびアゾフ海沿岸からの穀物輸送減少と、ロシア・ウクライナ情勢の再緊迫化が価格を押し上げる要因として意識されている。
2022年の供給混乱再来への懸念
ゼレンスキー大統領は、黒海地域からの穀物輸出が長期間停止すれば、世界の食料安全保障を再び脅かす可能性があると警告している。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻直後には、黒海からの穀物供給が急減し、国際価格が上昇した。特に影響を受けたのが中東・北アフリカ地域で、エジプトやリビアなど輸入穀物への依存度が高い国では、食料価格上昇が家計負担の増加につながった。
今回も港湾機能の停止が長期化すれば、単なるウクライナの輸出問題にとどまらず、世界の穀物需給や食品価格を再び不安定化させる可能性がある。
出典:https://www.foodagribusiness.world/feed/ukraine-grain-exports-frozen-global-supply-fears-return
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