米国穀物物流に燃料高の波 鉄道輸送減速と海上運賃上昇で飼料・穀物市場にコスト圧力
米国でディーゼル価格上昇を背景に穀物物流コストが拡大。鉄道輸送は減少し、海上運賃も上昇。輸出成約は弱含みとなり、世界の飼料・穀物価格への影響が懸念される。
飼料
藤井誠司
5/12/20261 min read
米国穀物物流に広がるコスト上昇圧力
― 鉄道・海運・燃料高が飼料市場へ与える影響 ―
米国農務省(USDA)関連データによると、2026年春の米国穀物物流は「輸送量は維持されているが、コスト負担が急速に高まる局面」に入っている。特にディーゼル燃料価格の急騰が鉄道・バージ・海運全体へ波及しており、穀物・飼料原料価格の下支え要因となり始めている。
鉄道輸送は減少、車両需給は逼迫
4月下旬の米国Class I鉄道による穀物輸送は29,743車両となり、前週比3%減少した。一方で、前年同期比では2%増、過去3年平均比では15%増であり、輸送需要自体は依然として底堅い。
注目すべきは二次市場の鉄道車両価格である。5月積みシャトル列車プレミアムは「運賃+454ドル」と高止まりし、前年同期比では600ドル超の上昇となった。これは穀物輸送設備に余裕が少ないことを示している。
米国では燃料価格上昇に伴い、鉄道各社が燃料サーチャージを引き上げており、最終的には穀物集荷価格や輸出採算へ転嫁される構造となっている。
海上運賃も上昇、日本向けに影響
日本向け海上運賃も上昇している。
ガルフ〜日本航路:67.25ドル/トン
PNW(米国北西岸)〜日本航路:35.75ドル/トン
となり、いずれも前週比で上昇した。特にガルフ航路は燃料価格の影響を受けやすく、今後さらに上昇する可能性がある。
また、今後10日間の穀物船積み予定は前年同期比54%増となっており、輸送需要自体は強含みで推移している。輸送需要増と燃料高が重なることで、物流コスト上昇が長期化するリスクもある。
輸出成約は減速、価格競争力に懸念
一方で、穀物輸出成約は弱含みとなった。
トウモロコシ:136万トン(前週比15%減)
大豆:14万トン(45%減)
小麦:8万トン(65%減)
物流コスト上昇は、米国産穀物の輸出競争力低下につながる可能性がある。特にアジア市場では、ブラジル・黒海産地との競争が厳しく、日本向け飼料原料価格にも影響を与えやすい。
日本市場への示唆
日本の配合飼料業界にとって、今回の動きは単なる「米国物流ニュース」ではない。
特に重要なポイントは以下の3点である。
米国産トウモロコシ・DDGS・大豆粕のC&F価格押し上げ要因になる可能性
海上運賃と燃料費上昇が、円安環境下では二重のコスト圧力となる点
鉄道・港湾混雑が続く場合、スポット調達の納期リスクが高まる点
近年は「穀物相場」だけでなく、「物流相場」が実需価格を左右する傾向が強まっている。輸入飼料ユーザーにとっては、CBOT価格だけでなく、燃料・輸送・港湾状況を含めた総合的な調達判断が重要な局面に入っている。
出典:https://www.feedandgrain.com/grain-supply-chain/transportation/news/15824588/grain-rail-traffic-dips-as-fuel-costs-surge?utm_source=Omeda&utm_medium=Email&utm_content=NL-Industry+Watch&utm_campaign=NL-Industry+Watch_20260507_1359&oly_enc_id=6111J9553889I8K
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