中国で口蹄疫新系統SAT1確認 ロシア家畜疾病拡大と連動しアジア全体に警戒感

中国北西部で口蹄疫(SAT1型)が初確認され、219頭で発生。既存ワクチンが効きにくい可能性があり警戒が強まる。ロシアでも大規模疾病対応が進み、ユーラシア全体で感染拡大への懸念が高まっている。

畜産

藤井誠司

4/7/20261 min read

中国で新系統SAT1の口蹄疫を確認

中国農業当局は北西部(甘粛省・新疆)で口蹄疫(FMD)の発生を確認した。発生は2群・計219頭の牛で確認され、発見後は殺処分および消毒措置が実施されている。注目すべきは、今回確認されたウイルスがSAT1型であり、中国での確認は初とされる点である。

SAT1は主にサハラ以南アフリカで流行してきた系統であり、既存ワクチンでは十分な交差防御が効かない可能性がある。つまり、中国国内の防疫体制において「ワクチンギャップ」が発生している可能性が高い。

ロシアの大規模疾病との関連性

同時期、ロシア・ノボシビルスク州では大規模な家畜疾病対応が進行している。当初はパスツレラ症と報じられたが、

  • 大量殺処分

  • 移動制限

  • 非常事態宣言
    といった対応の規模から、実態は口蹄疫の可能性が高いと指摘されている。

さらにカザフスタンはロシア産の家畜・飼料の輸入を停止しており、域内での感染拡大懸念が現実化している。

「アフリカ起源→中東→アジア」拡散リスク

SAT1は近年、中東やアジアでの発生報告が増加しており、今回の中国事例はその延長線上にあると考えられる。
地理的にはロシアの発生地点と中国の発生地点は約2,000km以上離れているが、

  • ユーラシア内の家畜・飼料流通

  • 国境をまたぐ非公式流通

  • 野生動物の移動

などを通じた拡散は十分に想定される。

総括

今回のポイントは「発生規模の小ささ」ではなく、ウイルスの質(SAT1)と地理的広がりである。
従来のアジア型FMDとは異なり、ワクチン耐性リスクを持つ系統がユーラシアで確認されたことは、今後の畜産経営において以下を意味する。

  • 飼料の調達先の分散

  • 疫学リスクを織り込んだ価格交渉

  • 防疫を前提としたサプライチェーン設計

つまり、疾病リスクが一時的イベントではなくなってきている。

出典
https://www.feedstuffs.com/nutrition-and-health/fmd-found-in-china

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