豪州レンダリング業界、初の持続可能性指針 循環型経済を「見える化」へ

豪州レンダリング業界が初のサステナビリティ・フレームワークを策定。循環型経済、環境保護、資源効率、市場アクセスを柱に、環境価値の可視化と市場競争力向上を目指す。

環境

藤井誠司

9/22/20261 min read

はじめに

食肉加工などから発生する動物由来副産物を、飼料原料や油脂、燃料などへ再資源化する「レンダリング産業」。廃棄物を減らし資源を有効活用するこの産業で、オーストラリアが持続可能性をより明確に示す取り組みを始めている。

Australian Renderers Association(ARA:オーストラリア・レンダラー協会)は2026年9月、業界初となる「Sustainability Framework」を正式に発表した。

4つの柱で持続可能性を評価

新たなフレームワークはKPMGと共同で策定され、レンダリング事業者や廃食用油リサイクル事業者が環境面での取り組みを測定し、顧客や政府、国際市場へ説明しやすくすることを目的としている。

中心となるのは、

  • 循環型経済

  • 環境保護

  • 資源効率

  • 市場アクセス

の4分野である。

企業ごとに事業規模や取り組み状況が異なるため、強制的な認証制度ではなく、自主的に活用できる指標や実践ガイドとして設計されている。

ARAは、レンダリングそのものが「回収・再利用・リサイクル・廃棄物削減」を基本とする産業であり、今後重要なのは、その環境貢献を客観的な数字や共通基準で示すことだとしている。

Scope 3や脱炭素も新たな商機に

今回の発表は、第18回ARA国際シンポジウムで行われ、会議には国内外から約400人が参加し、うち約80人が海外からの参加者である。技術セッションでは、脱炭素化やScope 3排出量、環境ベンチマーキング、認証制度、環境価値市場などが議論されている。

特に注目されるのがScope 3である。食品会社や畜産関連企業がサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量削減を求められるなか、副産物を再資源化するレンダリング産業の環境価値を定量化できれば、単なる廃棄物処理ではなく「排出削減に貢献する産業」として評価される可能性が高まるとしている。

「廃棄物」から価値を生み出す産業へ

オーストラリアのレンダリング産業は約15億豪ドル規模とされる。動物性たんぱく質、油脂、再生可能燃料原料など幅広い製品を生産し、食肉産業を支える重要な循環システムとなっている。

これまでレンダリング業界は、他産業では廃棄物となる副産物から価値を生み出してきている。今後はその「循環性」を環境指標として見える化し、顧客や市場に伝えることが新たな競争力となりそうだ。

サステナビリティはコストではなく、資源効率、市場アクセス、取引継続性を高める経営戦略へと変わりつつある。今回の豪州の取り組みは、世界のレンダリング産業が「副産物処理産業」から「循環型資源産業」へ転換していく流れを象徴している。

出典:https://www.feedstrategy.com/sustainability-in-feed-production/news/15835310/australias-rendering-industry-launches-sustainability-framework

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