オメガ3脂肪酸入りのエサで牛乳が増える? 妊娠維持にも手がかり——米大学の試験結果
オメガ3を多めにした飼料で乳量が日量2〜4lb増え、乳中オメガ3も増加。黄体の血流増で妊娠維持にも示唆。
飼料
藤井誠司
2/28/20261 min read
1. 何がわかったの?
米カンザス州立大学の試験で、乳牛のエサの脂肪の種類を変えると、牛乳の量が増える可能性が示された。
具体的には、オメガ3脂肪酸が多いエサを食べた牛は、オメガ6脂肪酸が多いエサを食べた牛より、1日あたり2〜4ポンド(約0.9〜1.8kg)多く搾れた。研究施設の牛はもともと1日100ポンド(約45kg)ほど出しており、オメガ3脂肪酸の牛は102〜104ポンドになった。ちなみに、試験は約130日間で、給与は分娩後15日から約140日までの期間行われた。さらに、できた牛乳の中のオメガ3脂肪酸の割合も増えたと報告されている。オメガ3脂肪酸が含まれた乳製品は、心臓血管疾患の予防効果があるとされ、消費者にとっても魅力がある。
2. 脂肪を増やしたのではなく中身を入れ替えた
ポイントは、エサの脂肪をただ増やしたのではなく、脂肪のタイプを変えたことである。
記事では、オメガ6脂肪酸は主にトウモロコシや大豆由来、オメガ3脂肪酸は亜麻仁と藻類由来の製品などで増やしている。つまり同じ脂肪量でも、配合の方向性を変える考え方である。
3. 妊娠を支える体の働きにも良い変化が出たかも
研究では、妊娠を支える働きに関係する黄体(おうたい)やホルモン(プロゲステロン)も確認している。結果として、ホルモン量そのものは大きく変わらない一方で、黄体の血流を促進し、妊娠の維持にも寄与したことが示されている。これは、特に繁殖期において牛の生産性を向上させるために重要な要素である。良好な繁殖管理と合わせて、オメガ3脂肪酸を多めにした飼料の使用は、牛の妊娠率を高め、生産者にとっての経済的利益を向上させる可能性がある。
4. 現場で考えるときの注意点
牛は反すう動物なので、オメガ3脂肪酸はルーメンで一部が分解されやすく、腸で吸収されにくいという課題がある。つまり、現場で再現するにはオメガ3脂肪酸を入れたつもりではなく、実際に体に届く形で与えられているかが大切となる。
出典
https://www.feedstuffs.com/dairy/dairy-cows-fed-more-omega-3-produced-more-milk
グロース・ウイズ合同会社
国内外の農業を営む方々、地域活性化に取り組んでいる方々を支援します。
info@growthwith.onmicrosoft.com
080-2270-3723
© グロース・ウイズ 合同会社
