AIカメラでコーンサイレージ品質をリアルタイム判定 New Hollandが「ForageCam」投入へ
New Hollandは、コーンサイレージのKPSをAIカメラでリアルタイム測定する「ForageCam」を発表。子実破砕を自動調整し、飼料品質と収穫効率の向上を図る。
飼料
藤井誠司
9/5/20261 min read
はじめに
乳牛の生産性を高める上で、コーンサイレージの子実が適切に破砕されているかは重要なポイントとなる。特にデンプンの利用効率は乳量や飼料効率にも関係するため、収穫時の破砕状態をいかに安定させるかが課題だった。New Hollandは、この品質管理をAIカメラでリアルタイムに行う新技術「ForageCam」を発表した。
収穫中にKPSをリアルタイム測定
New Holland North Americaは、FR Forage Cruiserシリーズ向けの新技術「ForageCam」を2027年シーズンから導入すると発表した。
最大の特徴は、コーンサイレージ調製時に重要となる「KPS(Kernel Processing Score:子実処理スコア)」を、収穫作業中にリアルタイムで把握できる点にある。
従来は、運転席から破砕状態を目視で確認するか、収穫サンプルを分析機関に送りKPSを測定する必要があった。新システムでは、その場で処理状態を確認し、必要に応じて機械設定を調整できる。
KPSとは何か
KPSは、コーンサイレージ中のトウモロコシ子実がどの程度細かく破砕されているかを示す指標である。一般には、サイレージ中のデンプンのうち4.75mmのふるいを通過する割合で評価し、数値が高いほど子実が細かく処理されていることを示す。
乳牛用コーンサイレージでは、従来50%未満は処理不足、50~70%程度は中程度、70%以上は良好な処理状態の目安とされてきた。現在では、高泌乳牛でデンプン利用率を高める観点から、収穫時の目標KPSを70以上とする考え方も広く用いられている。
AIカメラが子実の破砕状態を判定
ForageCamは、フォレージハーベスターの排出口部分に取り付けられるカメラシステムで、AIによる画像認識技術を搭載する。
細断されたトウモロコシが流れる際、カメラが連続的に画像を解析し、十分に処理された子実の割合を測定する。あらかじめ設定した目標KPSと比較し、その結果に応じてカーネルプロセッサーを自動調整する。
これにより、処理不足を防ぐ一方、過剰な破砕による燃料消費や機械摩耗を抑え、収穫作業の効率化も期待できる。
飼料品質を数値で管理
測定したKPSは、運転席の「IntelliView IV Plus」ディスプレイで確認できるほか、収穫後には「FieldOps」を通じてレポートや圃場マップとして確認できる。
子実が十分に破砕されていない場合、牛がデンプンを十分利用できず、未消化のまま糞中へ排出される可能性が高まる。ForageCamでは、乳牛や肉牛など給与対象に応じて目標KPSを設定でき、収穫作業と家畜栄養管理を直接結び付けられる。
「経験」から「データ」による収穫管理へ
フォレージハーベスターの自動化は、作業効率だけでなく飼料品質の管理へと領域を広げている。
KPSをリアルタイムで把握できれば、圃場条件や収穫時の水分変化にも対応しやすく、サイレージ品質の均一化につながる。良質なサイレージを安定的に生産することで、乳量や飼料効率の改善も期待される。
ForageCamはすでに受注を開始しており、2027年シーズン向けFR Forage Cruiserへの導入が予定されている。
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