子牛の成長、脂肪より「乳糖」がカギ 高乳糖代用乳で赤身組織の増加を確認
ホルスタイン雄子牛で代用乳と全乳を比較した研究で、高乳糖の代用乳は高脂肪飼料より日増体量と赤身組織の増加に有利な可能性が示された。
飼料畜産
藤井誠司
8/24/20261 min read
高乳糖・高脂肪・全乳を比較
若齢子牛の成長において、エネルギー源として「乳糖」と「脂肪」のどちらが有利なのか。Feedstuffsが紹介した研究では、雄ホルスタイン子牛を用い、標準代用乳、高脂肪代用乳、全乳の3種類を比較した。
各区6頭を35日間飼養。標準代用乳は粗タンパク質(CP)22.3%、脂肪21.4%、乳糖49.1%、高脂肪代用乳はCP25.4%、脂肪27.4%、乳糖40.1%、全乳はCP25.4%、脂肪27.1%、乳糖41.9%だった。試験開始時の代謝エネルギー(ME)とCP摂取量がほぼ同じになるよう給与量を調整し行った。
高乳糖区で日増体量が最大
試験の結果、最終体重には大きな差がなかった一方、平均日増体量(ADG)は標準代用乳区が0.690kg/日と最も高く、高脂肪代用乳区0.532kg/日、全乳区0.571kg/日を上回った。
標準代用乳区では脂肪含量が低い一方で乳糖摂取量が多く、初期の成長が促進された。その後、体重に応じて給与量を増やす試験設計だったため、乾物、ME、CPの摂取量も増え、最終的に空体重や赤身組織の増加につながったと考えられている。
研究者らは、この結果について、若齢子牛では脂肪より乳糖の方が赤身組織の成長を促す可能性があるとしている。
全乳にも異なるメリット
一方、全乳にも利点が確認された。差は大きくないものの、全乳給与では飼料中CPを赤身組織の形成に利用する効率が高い傾向があり、高脂肪代用乳と比較して異常便が続く日数も短かった。
全乳には代用乳にはない生理活性物質や異なる脂肪酸組成などが含まれており、単純にCP、脂肪、乳糖の数値だけでは比較できない点も重要である。
実際の子牛育成ではスターターも重要
今回の研究は、液状飼料だけを給与した条件で行われている。実際の酪農現場ではスターターの摂取がルーメン発達や離乳前後の成長に大きく関係するため、結果をそのまま通常の育成体系に当てはめることはできない。
それでも、代用乳を「高エネルギー化するなら脂肪を増やせばよい」と考えるだけでなく、乳糖と脂肪のバランスが子牛の成長、特に赤身組織形成に影響する可能性を示した点は注目される。
出典:https://www.feedstuffs.com/dairy/growth-of-calves-fed-only-milk-replacer-vs-whole-milk-evaluated
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