米中西部で干ばつ拡大、作物への懸念強まる
2026年5月末時点で米中西部を中心に干ばつが急速に拡大。高温少雨により土壌水分が低下し春作物への影響が懸念される一方、南東部では降雨増加により干ばつが大幅に改善した。
飼料
藤井誠司
6/7/20261 min read
米中西部で干ばつ悪化、高温少雨が農業に圧力
米国の最新干ばつモニターによると、2026年5月末にかけて中西部を中心に干ばつや異常乾燥地域が拡大した。一方で南東部では豊富な降雨により干ばつ状況が改善しており、地域間で明暗が分かれる展開となっている。
今回の変化は、南部に十分な降雨をもたらした一方、北部や中西部には十分な雨を届けなかった気象パターンによるものである。特に高温傾向が続いたことで土壌からの水分蒸発が加速し、農業生産への懸念が高まっている。
ウィスコンシン州中心に乾燥が急拡大
中西部では高温と降雨不足が重なり、干ばつ状況が急速に悪化した。ウィスコンシン州ではほぼ全域が異常乾燥状態となり、春まき作物へのストレスや土壌水分の減少が報告されている。
また、イリノイ州北部、ウィスコンシン州南東部、アイオワ州北方のミシシッピ川流域では「中程度の干ばつ」が新たに確認された。長期的な土壌水分指標は比較的良好であったものの、この時期特有の蒸発散量の増加により短期間で状況が悪化したことが特徴である。
専門機関は、降雨パターンが改善しなければ今後さらに急速な悪化が進む可能性を指摘している。
南東部は豪雨で大幅改善
対照的に南東部では5月を通じて豊富な降雨が続き、多くの地域で平年比150~300%の降水量を記録した。
アラバマ州南部、フロリダ州パンハンドル地域、ジョージア州の一部では150ミリを超える大雨が観測され、これまで深刻な干ばつに苦しんでいた地域に大きな改善をもたらした。
その結果、アラバマ州では中程度以上の干ばつ地域が解消され、ジョージア州でも最も深刻な「異常干ばつ」の範囲がほぼ消滅した。ただし、地下水位や湖沼水位の回復には時間を要しており、ジョージア州沿岸部やカロライナ地域では依然として長期的な水不足の影響が残っている。
ハイプレーンズは地域差が拡大
カンザス州やネブラスカ州では降雨に恵まれたことで状況が改善した。しかし、ダコタ州の一部やネブラスカ州北部など十分な降雨を得られなかった地域では乾燥が進行した。
また、降雨があった地域でも平年を上回る高温が続き、水分需要が高い状態が継続している。降雨だけでは十分な回復につながらないケースも見られる。
北部平原でも乾燥傾向が継続
北部平原から中西部北部にかけては数週間にわたり高温少雨が続いている。特に中西部西部では異常乾燥地域が拡大し、干ばつの広がりが顕著となった。
一方、モンタナ州西部と中部では週後半の嵐によりまとまった降雨があり、一部地域では干ばつ緩和が確認されている。
今後の見通し
気象予報では、全米の広い範囲で平年を上回る気温が続く見込みとなっている。さらに、多くの干ばつ地域では十分な降雨が期待しにくい状況であり、水分ストレスを抱える農業地帯にとって厳しい環境が続く可能性が高い。
2026年の米国農業は、地域ごとの降雨格差が収量や作物生育に大きな影響を与える局面に入りつつあり、今後の天候推移が穀物生産の重要な焦点となりそうだ。
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