米国農地の79%は非農家が所有 ― 3.48億エーカーの賃貸農地が示す「農地の資産化」と世代交代の行方
米国では賃貸農地3.48億エーカーのうち79%が非農業地主の所有で、農地は1.6兆ドル規模の資産市場となっている。地主の平均年齢は69歳と高齢化が進み、今後5年で4300万エーカーが世代移転する見通し。
環境
藤井誠司
3/14/20261 min read
1.米国農地の多くは「農家以外」が所有
米国農務省(USDA)の調査によると、米国で貸し出されている農地は約3億4,800万エーカーに達する。このうち約79%は農業を行っていない地主(非農業所有者)が保有している。
この調査では、農地を貸している所有者は200万人以上とされ、所有形態には個人所有、家族法人、信託、非家族法人など多様な形態が含まれる。特に、個人・家族・信託による所有が約2億5,100万エーカーと大部分を占めている。
つまり、米国農業では「農地を所有する人」と「農業を行う人」が必ずしも一致していない構造が広く存在している。
2.巨大な資産市場としての農地
貸し出されている農地と関連施設の資産価値は、約1.6兆ドル(約240兆円規模)と推計されている。
2024年の農地賃貸市場では、地主が受け取った賃料収入は約341億ドルである一方、固定資産税や管理費などの運営費は約120億ドルとなっている。
このことから、農地は単なる生産資源ではなく、安定した収入を生む資産市場としても機能していることが分かる。
金融資産として農地を保有する動きは、年金基金や投資家などが農業分野へ参入する背景にもなっている。
3.今後5年間で4300万エーカーが世代移転
調査では、今後約4,300万エーカー(米国農地の約5%)が所有移転すると見込まれている。
しかし、その多くは市場に出るわけではない。
内訳を見ると
2,300万エーカー:第三者へ売却
2,000万エーカー:親族への売却・贈与
となっており、市場に流通する農地は限定的とみられている。
つまり、米国でも農地取得は容易ではなく、既存農家や家族内での承継が主流である。
4.地主の高齢化という構造問題
農地を貸している地主(主要地主)の平均年齢は69.2歳とされる。
これは農業経営者平均:58.1歳よりも大きく高齢である。
さらに、地主の約52%は農業経験がない、55歳未満は約12%のみとなっており、農地所有が「資産保有型」に変化している実態が見える。
出典
https://www.feedstuffs.com/agribusiness-news/most-rented-farmland-is-owned-by-non-farmers
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