ドイツ、飼料用大豆粕の90%が「森林破壊フリー」 持続可能な調達体制が定着
ドイツでは飼料用大豆粕の約90%が森林破壊のない地域由来に。認証・追跡管理の整備が進み、EUDR対応を見据えた持続可能な調達体制が定着しつつある。
飼料環境
藤井誠司
8/19/20261 min read
大豆粕の約90%が森林破壊フリー
ドイツ動物栄養協会(DVT)が公表した初の大豆報告書によると、国内で家畜飼料に使用される大豆粕の約90%が、森林破壊を伴わない地域から調達されている。大豆は家禽、豚、牛向け飼料の重要なタンパク源であり、ドイツの配合飼料業界では近年、価格や安定供給だけでなく、原産地、土地利用、持続可能性まで含めた調達管理が進んでいる。
2025年の業界調査では、回答者の88%が持続可能性に関する各種調達モデルを認識しており、業界全体で意識が高まっていることも示された。
「QS SojaPlus」で追跡管理を強化
こうした取り組みを支えているのが、義務化された「QS SojaPlus」モジュールである。大豆の原産地や持続可能性に関する証明、サプライチェーン上の追跡、文書管理を求めることで、森林破壊フリー大豆の調達を仕組みとして定着させてきた。
DVTは、大豆の環境負荷は単に生産国だけで判断できず、栽培方法、物流、過去の土地利用などを総合的に評価する必要があるとしている。
一方で、持続可能性基準を厳しくするほど、コストや供給量、トレーサビリティとの調整も必要になる。このため、複数の調達ルートを確保することが安定供給上重要とみられている。
米国産大豆が最大の供給源
ドイツでは、家畜飼料に必要な粗タンパク質の約88%を国内で確保しており、残る12%を大豆などの高タンパク原料で補っている。直近のマーケティング年度では、大豆を約240万トン輸入。このうち米国産が約170万トンと最大で、ウクライナ産が約20万トンだった。大豆粕については、南米から約120万トン、インドから約30万トンを輸入しており、原料によって調達地域が大きく異なっている。
EUDR対応が次の焦点に
EU森林破壊防止規則(EUDR)の適用を見据え、欧州では今後、大豆を含む飼料原料について、森林破壊との関係や原産地をより厳格に証明することが求められる。
DVTは、今回構築された大豆の持続可能な調達モデルについて、将来的には他の飼料原料にも応用できるとみている。ドイツの取り組みは、飼料原料の評価軸が「価格・栄養価・安定供給」から「環境負荷・追跡可能性」を含む形へ広がっていることを示している。
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