「非常に強い」エルニーニョへ 2027年まで異常気象警戒、世界の穀物・油脂作物にも供給リスク
WMOはエルニーニョが年末に「非常に強い」規模へ発達し、2027年2月までほぼ確実に継続すると予測。干ばつ・洪水・猛暑が農作物生産を揺さぶる恐れがある。
環境飼料
藤井誠司
9/9/20261 min read


はじめに
世界気象機関(WMO)は9月3日、現在発生しているエルニーニョが今後さらに強まり、2026年末に「非常に強い」規模へ達する見通しを発表した。世界的な降雨・気温パターンが大きく変化する可能性があり、農業分野でも2026/27年の作柄への影響が注目される。
2027年2月まで継続「ほぼ100%」
WMOによると、エルニーニョが2027年2月まで継続する確率はほぼ100%。これほど確度の高い予測を示すのは異例という。
エルニーニョの指標となるNiño3.4海域の海面水温偏差は、2026年5~7月平均の+1.5℃から、7月には+2.0℃へ上昇。7月下旬~8月中旬には週間値で+2.2~+2.6℃に達した。さらに海面下では、一部で平年を8℃以上上回る高温も観測されている。
WMOは9~11月について、ほぼすべての陸域で平年より高温となる可能性が高いと予測している。
世界の農作物への影響
農業では「高温」だけでなく、雨が降らない地域と降り過ぎる地域が同時に発生することが大きなリスクとなる。
トウモロコシ:FAOは南部アフリカで10月~翌4月に少雨となる傾向を指摘。水分ストレスに弱いトウモロコシは、2026/27年産が平年を下回るリスクがある。
大豆:南米では地域差が大きい。降雨増加が生育を支える地域がある一方、過剰降雨による播種・収穫遅延、病害や品質低下にも注意が必要となる。
小麦:高温・干ばつ地域では登熟や単収への悪影響、逆に収穫期の多雨地域では品質低下のリスクが高まる。
パーム油:インドネシアやマレーシアなど東南アジアでは、エルニーニョ時に少雨となる傾向がある。長期の乾燥は油ヤシの着果や収量に時間差で影響する可能性がある。
2027年の作柄にも注意
エルニーニョは通常、11月~翌2月にピークを迎えるが、気温や農業への影響は海面水温のピーク後も続くことがある。
今回の特徴は、強度だけでなく2027年まで影響が長期化する可能性にある。穀物・油糧種子市場では、今後、南米大豆・トウモロコシ、南部アフリカのトウモロコシ、豪州などの小麦、東南アジアのパーム油について、降雨量と作柄の変化を注視する必要がありそうだ。
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