米国農業を襲う記録的高温と干ばつ、作付け開始と同時に水不足と牧草不足が深刻化
2026年春の米国農業は記録的高温と干ばつ、雪不足により水不足・牧草不足が拡大。小麦作柄悪化や補助飼料増加が懸念され、飼料価格・畜産コスト上昇リスクが高まっている。
飼料
藤井誠司
4/4/20261 min read
記録的高温と干ばつが米国農業を直撃
-春作付け開始と同時に広がる水不足・牧草不足の影響-
1.2026年春、米国農業は高温・干ばつでスタート
2026年3月の米国農業は、記録的な高温、広範囲の干ばつ、雪解け水不足という三重の問題の中で春の作付けが始まった。USDA(米国農務省)の報告によると、西部から南東部にかけて広い地域で平年を大きく上回る気温となり、農業生産に大きな影響が出始めている。
特に西部では、カリフォルニア州やネバダ州で平年より15~30度(華氏)高い気温が観測され、中西部アイオワ州では3月21日に90°F(約32℃)を記録するなど、異常な早さで気温が上昇している。
このような気温上昇は作物の生育を早める一方で、水分不足と干ばつのリスクを高める典型的なパターンである。
2.干ばつの拡大と雪解け水不足
干ばつは南西部・グレートプレーンズ(大平原)・南東部で悪化している。
主な地域の状況は以下の通りである。
オクラホマ州:94%が干ばつ(中度~極度)
フロリダ州:73%が極度干ばつ、10%が異常干ばつ
アーカンソー州:池の水位が歴史的低水準
西部山岳地帯:雪解け水が大幅不足
特に灌漑農業にとって重要な雪解け水が大きく不足しており、
コロラド州の積雪量:平年の24%
一部地域では9%
ユタ州:平年の21%
という非常に厳しい水準となっている。
これは2026年の灌漑用水不足に始まり、その影響で作物単収低下し穀物価格上昇につながる可能性が高い。
3.作物生産への影響(小麦・トウモロコシ・綿花・米)
作物の状況は地域によって大きく異なっている。
冬小麦
カリフォルニア:70%が良好以上
コロラド:50%が不良~非常に不良
ネブラスカ:51%が不良~非常に不良
カンザス:23%がすでに節間伸長(例年より早い)
南部・西部は生育が早いが、プレーンズ(平原)は乾燥で作柄悪化という構図となっている。
春作物の作付けは一部地域で前倒しになっている。
トウモロコシ:アラバマ、テキサス、ジョージアなどで開始
綿花:アリゾナで平年より早い
米:アーカンソー、ミズーリ、テキサスで作付け開始
ただし土壌水分不足で作付けが遅れている地域もある。
つまり2026年は、早い作付けとなっていますが水不足という不安定なスタートになっている。
4.畜産への影響(牧草不足・給水問題)
畜産への影響もすでに出ている。
主な問題:
牧草不足
乾燥牧草地
補助飼料給与の増加
給水のための水運搬
粉塵による肺炎
繁殖疾病(トリコモナス症)
特に
テキサス
モンタナ
フロリダ
アラバマ
ジョージア
などで牧草不足が報告されている。
5.今後の注目点
2026年の米国農業は高温・干ばつ・雪不足という典型的な供給リスク型の年のスタートとなっている。
今後の注目点は
夏の高温
コーンベルトの降雨
牧草生産
灌漑水量
牛群削減(herd liquidation)
この5点であり、2026年は飼料・畜産コスト上昇リスクの年になる可能性がある。
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