米国で拡大するデータセンター建設 農地・水・電力との競合が地域社会の新たな火種に

米国で急拡大するデータセンター投資が、農地減少や電力・水不足への懸念を招いている。AI需要増加の一方、地域住民や農業団体は「共存条件」の整備を求めている。

環境

藤井誠司

5/16/20261 min read

an aerial view of a large industrial building
an aerial view of a large industrial building

データセンター拡大と農業の衝突

― AI時代に問われる農地・電力・水資源の使い方 ―

米国でデータセンター建設が急拡大している。背景には、AI(人工知能)、クラウド、国防、物流、金融などのデジタル需要増加がある。スマートフォン利用や動画配信など日常サービスの裏側でも大量のデータ処理が必要となり、巨大施設への投資が加速している。

一般的な250MW級データセンターには25〜40億ドル規模の投資が必要とされ、さらに大規模案件では数百億ドルに達するケースもある。2025年時点では、米国のデータセンター向け電力需要が供給能力を約11.4GW上回ったとされ、2028年には供給能力が66.7GW規模へ拡大する見通しも示されている。

農村部への進出が進む理由

近年は、土地確保や送電インフラへの接続が比較的容易な農村部への立地が増加している。米国農業団体は、農村地域が「デジタル経済の重要拠点」になり得るとの見方を示している。

一方で、農業側には大きな懸念もある。特に問題視されているのは以下の3点である。

  • 農地減少

  • 電力需給逼迫

  • 水資源競合

AI向けサーバーは膨大な演算を長期間継続するため、消費電力が極めて大きい。米国では2024年時点でデータセンターが全電力消費の約4.4%を占めたとされ、2028年には最大12%へ増加する可能性も指摘されている。

「水」と「電力」が地域対立の火種

データセンターではサーバー冷却のため大量の水が使用される。特に乾燥地域では、水利用への反発が強い。

実際に、バージニア州では大規模データセンター計画に対する住民反対が拡大し、「地域景観悪化」「騒音」「電力負荷増大」への不安が高まっている。アリゾナ州では、水使用や電気料金上昇への懸念から、市議会がデータセンター建設計画を否決した事例も出ている。

また、モンタナ州では人口136人の地域近郊に、1,000MW規模のAIデータセンター計画が浮上した。これは約100万世帯分に相当する電力規模であり、州全体住宅数を超えるレベルとして議論を呼んでいる。

AI時代のインフラ整備は避けられない一方、農業・食料生産とのバランスをどう取るかが、今後の課題である。

出典:https://www.beefmagazine.com/farm-business-management/data-center-dilemma

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