米コーンベルトで「フラッシュ干ばつ」拡大 高温・少雨でトウモロコシや大豆に懸念
米国中部で高温・少雨によるフラッシュ干ばつが拡大。コーンベルトでは土壌水分が低下し、トウモロコシや大豆の登熟・収量への影響が懸念されている。
飼料
藤井誠司
9/6/20261 min read
はじめに
米国の主要穀倉地帯であるコーンベルトで、短期間に急速に進行する「フラッシュ干ばつ」が広がっている。高温と降水不足が重なり、土壌水分の低下や農作物へのストレスが強まっており、2026年産トウモロコシや大豆の最終的な収量を左右する可能性がある。
テキサスから中西部へ干ばつ拡大
米国干ばつモニターによると、乾燥地域はテキサス州からミシシッピ川流域を経て、コーンベルトへと北上している。特にミズーリ、イリノイ、ケンタッキー各州で乾燥が悪化し、ミネソタ州中西部でも短期・長期双方の降水不足が深刻化した。
ミネソタ、アイオワ、西部ミズーリでは気温が平年より約1~3℃高く、カンザス州では約3~6℃上回る地点もみられた。散発的な雨はあったものの、多くの地域では13mm以下にとどまり、十分な土壌水分回復には至っていない。
一部では降雨も長期的な水不足続く
ネブラスカ西部やカンザス西部、コロラド、ワイオミングなどでは13~51mm程度の降雨があり、一部地域では土壌水分や河川流量が改善した。しかし、ハイプレーンズでは長期的な降水不足が残っている。高地の積雪不足や高温も河川流量の低下につながっており、地域全体としては依然不安定な状況にある。
トウモロコシ・大豆への影響
コーンベルトの乾燥は、収穫直前の農作物にとって重要な意味を持つ。
トウモロコシでは、登熟後半の水分不足によって子実の充実が弱まり、粒重が低下する可能性がある。成熟が早まり、収穫時期が前倒しになるケースも考えられる。
大豆では、莢の充実期に高温・乾燥が続くと、種子重量の低下や小粒化につながり、最終収量を押し下げる恐れがある。
また、牧草や放牧地への影響も拡大しており、飼料供給量の減少や追加飼料購入による畜産農家のコスト上昇も懸念される。
今後の降雨が収量を左右
米国気象当局は、9月上旬にかけて中部・中南部で乾燥が続く一方、その後はグレートプレーンズの一部で平年を上回る降水の可能性を示している。
2026年産トウモロコシ、大豆はすでに生育後半に入っているため、今後の降雨が生育を大幅に回復させる余地は限定的とみられる。市場では今後、USDAの収量予測や収穫実績とともに、干ばつ地域の広がりが穀物価格を左右する重要な材料となりそうだ。
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