米国農家の資材コスト、ブラジルを大幅に上回る―種子は平均68%高、農薬価格にも深刻な格差

米国のトウモロコシ農家は、ブラジルより種子を平均68%、殺虫剤を87%高く購入している。農産物価格の低迷に資材高が重なり、農業経営の持続性が揺らいでいる。

飼料環境

藤井誠司

7/15/20261 min read

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米国農家を圧迫する生産資材価格

ブラジルとの比較で浮かぶ競争条件の格差

全米トウモロコシ生産者協会(NCGA)が公表した調査によると、米国の農家は国際市場で主要な競争相手となるブラジルの農家よりも、種子や農薬を大幅に高い価格で購入している。調査は市場調査会社Kynetecが実施し、2023~2025年の両国の価格を比較した。

トウモロコシ種子は平均68%割高

調査対象となったトウモロコシ種子の比較では、すべての項目で米国価格がブラジルを上回った。3年間の平均価格差は68%に達しており、収量や販売価格だけでなく、作付け前に必要となる基本的な費用の段階から米国農家が不利な条件に置かれていることが示された。

農薬でも同様の傾向が確認された。殺菌剤は作物、有効成分、製品区分によって差があるものの、米国価格がブラジルの2倍を超える事例があった。トウモロコシと大豆向けの除草剤も多くの比較で米国価格が約2倍となった。

トウモロコシ用殺虫剤は、2023~2025年の平均でブラジルより87%高かった。価格差は一時的な市況変動ではなく、複数年にわたり続く構造的な問題とみられる。

農産物価格だけでは経営悪化を説明できない

農家経営を考える際には、トウモロコシなどの販売価格に注目が集まりやすい。しかし、NCGAは種子、肥料、農薬など、作物を生産するための費用も同時に検証する必要があると指摘する。

米国のトウモロコシ農家は4年連続の赤字が見込まれており、生産物価格の低迷と高止まりする資材費の両面から収益を圧迫されている。収入が伸びない中で投入費用だけが高い状態が続けば、作付けの継続や設備投資が困難になる可能性がある。

関税措置による価格上昇への懸念

NCGAは、輸入資材に対する相殺関税などの貿易救済措置も問題視している。2021年には輸入リン酸肥料への関税措置を背景にリン酸肥料価格が急上昇した。

その後も2,4-Dに関する関税措置が導入され、さらにバイエルは輸入グリホサートに対する措置を申請した。国内産業を保護する制度であっても、供給企業の競争が弱まれば、農家の購入価格を一段と押し上げる恐れがある。

NCGAは、生産資材企業に対し、価格決定の透明性を高め、農業所得や穀物市況を反映した現実的な価格設定を行うよう求めている。今回の調査は、米国農業の国際競争力を考える上で、生産性だけでなく資材調達条件の格差にも注目する必要性を示している。

出典:https://www.feedandgrain.com/business-markets/commodities/news/15829580/report-shows-us-farmers-pay-more-for-inputs-than-brazil

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