中国、飼料の「脱大豆」加速 代替タンパクで輸入依存低減へ
中国は飼料中の大豆粕削減を加速。合成アミノ酸や代替原料の活用により配合比率を低下させ、輸入依存の構造転換を進めている。
飼料
藤井誠司
4/10/20261 min read


中国の飼料戦略転換:背景と政策動向
中国政府は2021年以降、トウモロコシと大豆への依存低減を国家戦略として推進している。背景には、①輸入依存の高さ、②価格変動リスク、③食料安全保障の強化がある。
農業農村部(MARA)は、飼料配合の見直しを主導し、地域ごとに最適な原料活用を促進。さらに2023年には「大豆削減3カ年計画」を打ち出し、大豆使用比率を毎年0.5%ずつ引き下げる方針を示した。
企業の対応:代替技術の実用化が進展
実際の飼料企業では、政策に沿った技術革新が進んでいる。
・世界最大の養豚企業である牧原食品は、飼料中の大豆粕比率を約10%から7%台まで削減
・トウモロコシ由来の発酵アミノ酸を活用し、タンパク質効率を補完
・年間飼料生産量は約2,500万トン規模
また、新希望集団では、
・ダックウィード(浮草)などを発酵させた代替タンパクを利用
・鶏・アヒル用で「大豆不使用飼料」を開発
・生産量は約2,600万トン規模
さらに乳業分野でも、大手企業が牛用飼料の大豆粕使用量を約20%削減している。
代替原料の全体像:多様化するタンパク源
政策では、大豆粕の代替として以下が推奨されている。
①タンパク源代替
・菜種粕
・綿実粕
・落花生粕
・ヒマワリ粕
・DDGS(穀物副産物)
②エネルギー源代替(トウモロコシ代替)
・米・米ぬか
・キャッサバ
・大麦・ソルガム
特に注目すべきは、副産物と発酵技術の組み合わせであり、低コストかつ国内調達可能な原料の活用が進んでいる点である。
構造変化の本質:単なる代替ではない
今回の動きは単なる「大豆代替」ではなく、以下の構造変化を意味する。
① 栄養設計の高度化
アミノ酸バランスで設計することで、大豆依存から脱却
② 原料のローカル化
地域ごとの農産副産物を最大活用
③ 輸入依存リスクの低減
大豆輸入(特に南米・米国依存)からの戦略的脱却
グローバル飼料市場へのインパクト
この動きは世界市場にも影響を及ぼす。
・中国の大豆需要の伸び鈍化 → 国際価格の上値抑制要因
・副産物・代替タンパク市場の拡大
・アミノ酸(リジン等)の需要増加
特に、「量」から「効率」への転換は、今後の飼料設計の主流になる可能性が高い。
総括
中国は政策・企業・技術が一体となり、飼料の脱大豆化を現実のものにしつつある。これは単なる配合変更ではなく、「資源制約下での食料システム再設計」と言える。今後、他国にも波及する可能性が高く、飼料産業の構造転換の先行事例として注視が必要である。
出典:https://www.feedandgrain.com/animal-feed-manufacturing/news/15821564/chinas-feed-producers-reduce-soybean-meal-inclusion-in-feed?utm_source=Omeda&utm_medium=Email&utm_content=NL-Industry+Watch&utm_campaign=NL-Industry+Watch_20260409_1200&oly_enc_id=6111J9553889I8K
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