豪州乳業、チーズ偏重に警鐘 ラボバンク「乳たんぱく質の価値最大化を」
豪州では生乳減少を背景にチーズ生産への依存が高まる。ラボバンクは、ホエイ高値に支えられた収益構造にはリスクがあり、乳たんぱく質を高付加価値用途へ柔軟に振り向ける戦略が重要と指摘する。
畜産環境
藤井誠司
8/27/20261 min read
生乳減少でチーズの存在感高まる
オーストラリアの乳業界では、生乳生産量の減少を受け、粉乳などを製造する乾燥設備が縮小する一方、チーズ生産の重要性が高まっている。ラボバンクは最新レポートで、チーズを多く生産すること自体ではなく、限られた生乳から得られる乳たんぱく質の価値を最大化することが重要だと指摘した。
チーズへのシフトは、国際的な乳製品価格の変動による影響を抑え、加工業者の利益を安定させる狙いがあった。しかし、チーズ向けに乳たんぱく質を多く使用することで、他の高付加価値製品へ振り向ける余地が小さくなるという課題もある。
ホエイ高値がチーズ採算を下支え
現在のチーズ市場は価格が低調で、競争も激しく、消費の伸びも鈍い。一方、チーズ製造時に生じるホエイたんぱく質は記録的な高値となっており、その価値がチーズ生産の採算を支えている。
ただし、今後チーズ価格がさらに下落し、ホエイ価格も通常水準へ戻れば、収益性が急速に悪化する可能性がある。チーズ事業が副産物であるホエイの高価格に依存している点は、大きなリスク要因となる。
「量」より乳たんぱく質の付加価値
ラボバンクは今後の競争力を左右する要素として、需要や価格に応じて製品を変更できる加工の柔軟性、ホエイの価値向上、高たんぱく乳製品や特殊乳原料の開発、採算性を重視したチーズ市場への選択的な参加を挙げている。
酪農家に支払われる乳価も、加工業者が乳たんぱく質をどれだけ収益性の高い用途に利用できるかに左右される可能性が高い。生乳供給が限られる中、加工能力の「大きさ」よりも、1kgの乳たんぱく質からどれだけ価値を生み出せるかが、オーストラリア乳業の競争力を決める時代になりつつある。
出典:https://www.foodagribusiness.world/dairy/rabobank-focusing-on-cheese-poses-a-risk-for-australia
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