米関税が変える北米物流、カナダで空コンテナ増加 農産物輸出に追い風

米国の関税強化でカナダ向け商品が米国経由から直接輸入へ移行。空コンテナがカナダ国内に増え、豆類やキャノーラミールなど農産物輸出の選択肢が広がっている。

飼料環境

藤井誠司

9/28/20261 min read

a large body of water filled with lots of cranes
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はじめに

米国とカナダの貿易摩擦が、思わぬ形でカナダの農産物物流を変え始めている。米国の関税を避けるため、小売業者がカナダ向け商品をカナダ港へ直接輸入するケースが増加。その結果、荷揚げ後の空コンテナがカナダ国内に残り、農産物輸出に利用しやすくなっている。

米国経由からカナダ港へ直接輸入

従来、多くの北米小売業者はアジアなどからの商品を米国の物流センターへ輸入し、そこから米国とカナダの店舗へ配送していた。

しかし米国の関税導入によって、この物流モデルの採算性が低下。カナダ向け商品については、ハリファックスなどカナダの港へ直接コンテナを入れ、国内で倉庫保管・配送する動きが強まっている。

これにより、荷物を降ろした空コンテナがカナダ国内に残るようになった。従来は米国側で発生していた空コンテナが、カナダの輸出業者にも利用可能になった形だ。

豆類輸出に追い風

カナダでは豆類や特用作物の輸出でコンテナが広く利用されているが、長年、空コンテナ不足が課題となってきた。現在もコンテナ供給量は10年前を下回るものの、直接輸入の増加が不足緩和につながっている。

さらに追い風となっているのが、バルク船輸送費の上昇だ。紅海情勢などによる航路変更で航海日数が延び、従来40~50日程度だった輸送が80~100日に及ぶケースもあるという。

その結果、バルク船とコンテナ船のコスト差が縮小。中国向けでは一般に、コンテナ輸送がバルクより1トン当たり10米ドル以内の差になれば競争力が出るとされ、現在はほぼ同水準まで接近していると推測される。

キャノーラミールなどとも競争

一方、コンテナ需要の拡大は競争も生んでいる。豆類に加え、キャノーラミール、デュラム小麦、特定規格の小麦などもコンテナ輸送を増やしている。特に9~10月の収穫後は需要が集中し、輸送費を押し上げる可能性がある。

豆類は季節変動が大きいが、キャノーラ搾油工場は年間を通じて操業するため、ミール輸出は安定したコンテナ需要を生み出している。こうした通年貨物が増えれば、船会社にとってカナダへコンテナを配置する理由も強まるであろう。

おわりに

今回の変化は、関税政策が単なる貿易量だけでなく、コンテナの流れそのものを変えることを示している。

カナダに空コンテナが安定的に供給されれば、豆類だけでなくキャノーラミールや穀物などにもコンテナ輸送の利用が広がる可能性がある。バルク運賃が高止まりする中、今後は「バルクかコンテナか」という輸送手段の選択が、農産物の国際競争力を左右する重要な要素となりそうである。

出典:https://www.agcanada.com/daily/canada-u-s-trade-spat-results-in-more-containers

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