穀物バルク船運賃が急騰 米国ガルフ発日本向けは前年同期比49%上昇
2026年第2四半期の穀物海上運賃は、中国向け鉄鉱石輸送と燃料高を背景に急上昇。米国ガルフ発日本向けは69.27ドル/トンとなった。
飼料環境
藤井誠司
7/30/20261 min read
はじめに
2026年第2四半期、穀物を輸送するバルク船の海上運賃が大幅に上昇している。中国向け鉄鉱石輸送の増加や船舶用燃料価格の高騰に加え、石炭や穀物の輸送需要が重なり、特にアジア向け航路で上昇が目立っている。
日本向け運賃が大幅上昇
米農務省農業マーケティング局の穀物輸送報告によると、米国ガルフから日本向けの運賃は、2026年4~6月平均で1トン当たり69.27ドルとなっている。前四半期比では26%、前年同期比では49%上昇し、過去4年間の同期平均も16%上回っている。
米国北西部から日本向けも36.25ドル/トンとなり、前四半期比18%、前年同期比34%上昇し、過去4年間の平均に対しても9%高い水準である。
一方、米国ガルフから欧州向けは22.45ドル/トンで、前四半期比2%、前年同期比1%下落している。過去4年間の平均を20%下回っており、航路によって運賃動向に大きな差が生じている。
鉄鉱石需要と燃料高が押し上げ
運賃上昇の背景には、オーストラリアやブラジルから中国への鉄鉱石輸送の増加がある。中国の4月の鉄鉱石輸入量は1億385万トン、1~5月の累計は5億1,625万トンに達し、前年同期比6.3%の増加している。
船舶用燃料の上昇も輸送コストを押し上げている。世界の主要20港の低硫黄燃料油平均価格は、2月27日の543.50ドル/トンから、4月には889.70ドル/トンへと64%上昇してる。
5月には大型連休後の中国や日本の取引再開に加え、猛暑に見舞われたインドが発電用石炭の輸入を増やしたことで、ドライバルク船の需要が一段と強まっている。
今後も不安定な展開か
7月16日までの週には、米国ガルフから日本向けが69.50ドル/トン、米国北西部から日本向けが36.50ドル/トンとなり、いずれも年初比で約4割高い水準を維持している。
今後、中国経済の減速や船腹量の増加は運賃を抑える要因となる。一方、航路変更による航海距離の長期化、パナマ運河の混雑、天候による通航制限などは上昇要因となり得る。穀物だけでなく、鉄鉱石や石炭を含む世界的な荷動きと燃料価格が、引き続き海上運賃を左右する見通しである。
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