ブラジル大豆、20年続いた作付拡大に転機 2026/27年度は面積横ばい、成長軸は「量」から「生産性」へ
ブラジルの大豆作付面積は2026/27年度に約20年ぶりに拡大が止まる見通し。高金利や採算悪化を背景に、新規農地開発から単収向上や二毛作重視へ戦略が移りつつある。
飼料
藤井誠司
8/16/20261 min read
20年続いた作付面積拡大が停止へ
世界最大の大豆生産・輸出国であるブラジルで、長年続いてきた作付面積拡大に転機が訪れそうだ。ラボバンクは、2026/27年度の大豆作付面積について、減少までは見込まないものの、ほぼ横ばいになると予測している。
ブラジルの大豆作付面積は2006/07年度の2,000万ha強から、2025/26年度には約4,900万haまで拡大してきている。2025/26年度の生産量は過去最高の約1億8,200万トンが見込まれる一方、2026/27年度は約1億7,800万トンへ減少する見通しである。
高金利と採算悪化が農家の戦略を変える
背景には、肥料など生産資材価格の上昇、大豆の国際価格低下、高金利、融資環境の厳格化などがある。ブラジルでは2000/01年度から2025/26年度まで、大豆作付面積が年平均約4%増加してきている。牧草地の農地転換、物流インフラ整備、栽培技術の向上などが成長を支え、世界生産に占めるブラジルの比率は2010年の約28%から2026年には約42%へ上昇している。輸出では世界の約60%を占めるまでになっている。しかし現在、生産者は新規農地への投資よりも、手元資金の確保、リスク管理、既存農地の収益性向上を優先する方向へ動いている。
成長の中心は単収向上と二毛作へ
今後のブラジル大豆は、農地を広げる「面積拡大型」から、既存農地を効率的に使う「生産性向上型」へ移行する可能性が高い。特に、大豆収穫後にトウモロコシなどを作付けする二毛作の拡大、単収向上、作業効率改善などが生産成長の重要な要素になるとみられる。
農地市場でも、資金確保を目的とした農地の売却や賃貸が増えれば、牧草地を新たに農地化する動きはさらに鈍化する可能性がある。
世界の大豆需給にも影響
ブラジルの増産ペースが鈍化すれば、世界の大豆供給量の伸びも抑えられる。ラボバンクは、これが世界在庫の縮小や需給バランスの引き締まりにつながる可能性を指摘している。ただし、ブラジルが世界最大の大豆供給国としての地位を失う見通しではない。今後も高水準の生産を維持しながら、成長の方法が変わるとの見方である。
一方、2026/27年度の予測にはエルニーニョの影響が十分織り込まれておらず、天候に加えて為替、肥料価格、金利、地政学情勢などが今後の生産量と農家収益を左右する重要な要因となる。
出典:https://www.foodagribusiness.world/feed/brazil-to-halt-soybean-area-expansion-after-20-years
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