エルニーニョ再来の可能性と2026年の気象シナリオ
2026年はラニーニャからエルニーニョへの移行期となる可能性があり、発生確率は60%以上とされる。発生時は米国南部・西部で降雨増加、コーンベルトでは夏季干ばつのリスクも指摘される。移行の速度が農業への影響を左右する重要な要因となる。
環境
藤井誠司
3/6/20261 min read
1. 2026年はラニーニャからエルニーニョへの移行局面
米国の気象専門家の分析によると、2026年はラニーニャからエルニーニョへ移行する可能性が高い年とみられている。太平洋のENSO(エルニーニョ・南方)海域では、海面水温が冷たい状態から暖かい状態へ変化する兆候が観測されており、これは2023年に見られたパターンと類似していると指摘されている。
現在は弱いラニーニャ状態が続いており、米国では乾燥傾向が広がっている。特に西部では水不足が深刻で、コロラド州では観測史上最低レベルの積雪量が報告されている。また、オクラホマ、テキサス、南東部でも平均より乾燥した状況が続いている。
気象モデルの分析では、2026年後半にエルニーニョが発生する確率は60%以上とされており、今後数か月の海水温の変化が重要な判断材料となるであろう。
2. 気象変化は即時ではなく数か月遅れる
ENSOの変化は、海洋から大気へ影響が伝わるまで2〜3か月程度の時間差があるとされている。つまり、海水温が変化しても気象パターンがすぐに変わるわけではない。
2026年前半は次の2つのシナリオが想定されている。
ラニーニャが長引く場合
米国南西部は乾燥状態が継続
早期にラニーニャが終息する場合
南西部からテキサス、さらに中西部へ降雨が広がる
このように、移行のスピードが地域ごとの降水パターンを大きく左右するであろう。
3. 夏季はコーンベルト干ばつの可能性
夏の気象はENSO中立またはエルニーニョのいずれかになると予測されている。もしエルニーニョが早期に発生した場合、過去の例ではコーンベルトで急速な干ばつが発生したケースがある。2023年も同様の現象が確認されている。
そのため、トウモロコシ生産地域では、夏季の降雨不足、作物ストレス、収量変動などが懸念される。
一方で、エルニーニョは西部と南部の降雨増加をもたらす傾向があり、干ばつ地域の改善につながる可能性もある。
4. 秋は南部で降雨増加の可能性
秋のシナリオも中立またはエルニーニョが想定される。もしエルニーニョが発生した場合、気象モデルでは米国南部で降水量が大きく増える可能性が示されている。つまり、2026年の降水分布は、西部・南部:湿潤化、中西部:夏季干ばつリスクという形で、地域ごとのコントラストが強まる可能性がある。
5. 農業への影響
今回の見通しから、農業・飼料分野には以下のことが想定される。
米国コーンベルトの天候リスク
夏の干ばつはトウモロコシ収量の変動要因となり、世界の飼料穀物市場に影響。牧草・飼料作物の地域差拡大
西部・南部の降雨増加は牧草生産を改善する可能性。天候ボラティリティの継続
エルニーニョ移行期は寒波などの突発的天候の変化が起きやすい。気象の移行速度が市場を左右
ENSO転換のタイミングが、穀物・牧草価格の変動要因となる可能性。
出典:https://hayandforage.com/article-5598-Rumor-has-it-El-Nintildeo-is-back.html
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